vol.122【実践コラム】慌てて銀行に駆け込む経営から脱却するために

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広


…今年こそ資金に困らない経営を本気で目指しましょう

当事務所では資金調達に関する相談を積極的にお受けしており、これまでも多くの資金調達をサポートして参りました。しかし、本来は融資を
受けられるポテンシャルがあるにも関わらず、融資を見送られたケースもいくつかあります。
原因はどこにあるのでしょうか。

最も大きな要因は準備不足です。資金調達の成否は平素からの準備状況でほぼ決まります。
融資の面談時に、いくら雄弁に語ったとしても、準備が不足していればうまくいきません。
試合の当日だけ頑張っても通用しないのと同じです。平素からしっかりと練習を積むことが大切です。
具体的には、下記の準備を行っておくと良いでしょう。

■ 会計帳簿をリアルタイムにつける。(試算表を作成する。)
決算から一定の期間が経っているにも関わらず、試算表を持たずに融資の相談に行くのは、バットも持たずに試合に行くのと同じです。試合になりませんので、「次の決算が終わってから相談に来てください。」と体よく断られてしまいます。
最低限の道具は準備しておきましょう。

■ 会計帳簿を正確につける。
会計が雑になると正確な利益状況を知ることが出来ません。中途半場な資料を提出することは、金融機関の信頼を大きく損ねる要因になります。伝票、請求書、領収証などをきちんと整理し、正確に記帳することを心掛けてください。

■ 金融機関の評価を得られる決算書を作成する。
本来は会社で決算書を作成するのが理想ですが、ほとんどの中小企業は税理士さんに任せています。その場合、当然のことながら、税理士さんは第一に税務的な目線で決算書を作成します。
しかし、金融機関は税務とは少し違った目線で決算書を分析しますので、財務的な目線も取り入れていないと、金融機関の評価を落とすことがあります。決算書は、融資審査を行うにあたって最も重要な資料ですが、年に1度しか作成する機会がありません。
単に税金の計算が出来れば良いということではなく、今後の資金調達も考慮し、相当のエネルギーを費やして作成する必要があります。

円滑な資金調達を実現するには、やはり常日頃からの準備が大切です。
当事務所では、貴社の財務面の強化をお手伝いするサービスをご用意しております。
今年こそ、資金に困らない経営を本気で目指してみてはいかがでしょうか。

尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)