vol.686【経営コラム】中小企業にとってのWEBマーケティングの重要性!

…出遅れた企業も挽回の好機!

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司

デジタル化が進む現代、WEBマーケティングは中小企業にとって「選択肢」ではなく「必須戦略」となりました。
特に2025年以降は、SEOからLLMO(大規模言語モデル最適化)への移行期に差し掛かり、出遅れた中小企業にも大きなチャンスが訪れています。その背景、成功事例、今後の戦略について解説します。

■1.なぜ中小企業にWEBマーケティングが重要なのか?

  1. 小規模でも全国・世界にリーチできる
    中小企業は資金力や人材に制限がある一方で、WEBを活用すれば限られた資源でも大きなリーチが可能です。自社の強みを明確に打ち出すことで、ニッチ市場でも圧倒的存在感を発揮できます。
  2. 広告よりも“育てる”型の資産になる
    SEOやSNS運用、ブログなどのコンテンツマーケティングは、広告と異なり“支出型”ではなく“資産型”の施策です。時間をかけて作った記事は、数年後も継続的に集客し、問い合わせを生み出します。
  3. 顧客と直接つながる「信頼づくり」の場
    BtoCでもBtoBでも、顧客はまず「検索」から入ります。情報発信を続けることで、企業ブランドへの信頼が生まれ、競合との差別化にもつながります。

◆成功事例1:地方の工務店が月商3倍に

山形県の小さな工務店A社は、SEO施策とInstagramを連携し、施工事例や住まいの知識を定期発信。地元キーワード「山形 自然素材 住宅」で検索上位を獲得し、問合せ数が半年で5倍に。結果、広告費ゼロで月商が約3倍に伸長。
◎ポイント:地域性×専門性×SEOの掛け合わせ

◆成功事例2:老舗和菓子店がEC化に成功

創業70年の和菓子店B社は、コロナ禍で実店舗の来客が激減。自社ECサイトを立ち上げ、ブログ記事で「贈答マナー」「和菓子の意味」などを発信。検索流入が月1万PVに達し、EC売上が前年比280%に。
◎ポイント:伝統文化×ストーリーSEO×体験価値

◆成功事例3:BtoB製造業がリード獲得10倍

金属加工業C社は、法人営業の縮小を機に、自社ホームページに「技術ノウハウブログ」と導入事例を掲載。検索から大手企業の技術者が流入し、年間50件以上のリード獲得に成功。
◎ポイント:専門性×技術資料×長期SEO

■2.今は“出遅れ組”にとってもチャンスの時代

2025年6月以降、Google検索はAI Overviews(AIO)やチャット型検索の導入により大きく変化すると予測されています。従来のSEO(キーワード中心)ではなく、「文脈・意図・構造」で評価されるLLMO時代(大規模言語モデル最適化)に突入します。

ここでの重要点は、

  • 古い記事や量産型コンテンツはリセット対象に
  • 出遅れた企業でも、質の高いコンテンツを出せば一気に上位を狙える
  • GoogleもAI主導の“公平な検索”を目指している

つまり、過去にSEOの積み上げがなかった中小企業こそ、「今」から本質的な施策を始めることで逆転のチャンスが広がっているのです。

■3.今こそ動くべき!中小企業のWEB戦略チェックリスト

  • SEO対策の現状確認…サイトはGoogle検索で上位に出ているか?
  • ストーリーあるコンテンツの有無…顧客が読みたくなる情報が整っているか?
  • SNSやメールとの連携…流入後の「ファン化」導線があるか?
  • モバイル・スピード対応…UXや技術的最適化ができているか?
  • AI検索への最適化(LLMO対応)…構造化・FAQ・会話形式の設計がなされているか?

中小企業にとって、WEBマーケティングは「広告の代替」ではなく、「未来への布石」です。今こそ、出遅れを恐れず、本質的な価値提供に向けて発信を始めましょう。AI時代だからこそ、人間らしさと信頼性のあるコンテンツが最大の資産になります。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)