vol.522【お役立ち情報】業務改善助成金(特例コース)について

…申請期限が延長され、対象事業者も拡充されました。

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
社会保険労務士 今西章

「業務改善助成金(特例コース)」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、売上高等が30%以上減少している中小企業事業者等が、事業場で最も低い賃金を30円以上引き上げ、設備投資等を行う場合に、その費用の一部を助成してくれるものです。
この度、令和4年7月29日までとされていた申請期限が令和5年1月31日までに延長されました。
また、原材料費の高騰などで利益率が5%ポイント以上低下した事業者も対象になる等、要件が拡充されました。

概要をみておきましょう。

■対象事業場

以下の(1)か(2)のいずれかを満たし、令和3年7月16日から令和4年12月31日までの間に事業場内最低賃金を30円以上引き上げた中小企業事業者等が対象となります。
※引き上げ前の事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内の事業者に限ります。

(1)新型コロナウイルス感染症の影響により、令和3年4月から令和4年12月の間の連続した任意の3か月間において売上高または生産量等を示す指標の平均値が、前年、前々年または3年前の同期に比べ30%以上減少している事業者。

(2)原材料費の高騰など社会的・経済的環境変化等外的要因により、令和3年4月から令和4年12月のうち任意の1月における利益率が前年同月に比べ5%ポイント以上低下した事業者。

■支給要件

主な支給要件は以下のとおりです。

(1)就業規則等により、引き上げ後の賃金額を事業場の労働者の下限の賃金額とすることを定め、引き上げ後の賃金額を支払っていること。

(2)生産性向上に資する機器・設備等の導入により業務改善を行い、その費用を支払うこと。

■対象となる経費

(1)生産性向上に資する設備等
機械設備、コンサルティング導入、人材育成・教育訓練などに係る費用が対象となります。
※パソコン、スマホ、タブレットの新規購入、定員7人以上または車両本体価格200万円以下の自動車の購入なども対象となります。

(2)関連する経費
生産性向上に資する設備投資等を行う取組に関連する広告宣伝費や、汎用事務機器、事務室の拡大、机・椅子の増設などに係る費用も対象となります。

■助成率および助成額

対象となる経費に対して、次の助成率、助成額で支給されます。

  • 助成率:3/4(事業場内最低賃金が920円未満は4/5)
  • 助成額:最大100万円

賃金を引き上げる労働者数によって以下の上限額となります。

  • 賃金引上げ人数1人の場合:30万円
  • 賃金引上げ人数2人から3人の場合:50万円
  • 賃金引上げ人数4人から6人の場合:70万円
  • 賃金引上げ人数7人以上の場合:100万円

詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00026.html

今西章(社労士 銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)