vol.458【実践コラム】財務指針の重要性

…漫然と借りて漫然と使う経営から脱却しましょう。

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広

中小企業の財務指針は、「借りられる時に借りられるだけ借りておき、常にキャッシュポジションを高くとることが最善」であると提唱しています。

コロナウィルスが本格的に経済に影響を与え始めてから、もう1年以上が経過しました。弊所の関与先様も少なからず業績に影響を受けていますが、従来から借入をしっかりと行い、資金を潤沢に持っていたため、コロナ禍でも慌てることなく対処出来ています。

元々、借入は嫌い、金利がもったいないと考えておられた経営者様も、今回のコロナ騒動で、キャッシュポジションを高く取ることの重要性を、身をもって理解することができたとおっしゃっていました。

しかし、ある金融機関の担当者からお聞きした話によると、今まで最低限の資金しか保有していなかった企業にもコロナ融資がばら撒かれた結果、余った資金で、いたずらに事業を拡大したり、効果の検証もせずに広告を出したり、接待交際費を増やしたり、金融商品を購入したり、他人に融資をしたりして、借入によって逆に経営が傾いてしまった企業も多くみられるとのことでした。

借入で経営が狂う要因は財務指針の欠如だと考えます。弊所は、最大限の借入を実施することを提唱している一方で、その目的は手元資金を厚く維持することと強調しています。この財務指針があれば、コロナ融資を安易に流用するようなことはなかったはずです。

漫然と借りて漫然と使う経営は大変危険です。資金繰り状況を管理予測し、自社の資金調達力に応じた調達計画を立て、最も投資効果が高いと思われる事業にお金を使う習慣や仕組みがあれば、経営の質は上がります。

弊所は、中小企業に適した財務指針と財務管理手法を確立しています。

財務を強化したいとお考えの経営者様は、是非、ご相談ください。

尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)