vol.371【経営コラム】勝者はルールメーカーです。

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


…中小企業も『ルールメーカー』になれます。

…前回号のつづきです。

■『ルールメーカー』になることを経営目標においてください。

◆1:新しいルールを作り上げた企業は、『ルールメーカー』として隆々と生きています。
◆2:誰かが作ったルールにいち早く適合した企業は、『準ルールメーカー』としてうまく経営できています。
◆3:その他の企業は、昔から存在するルールに従う『ルールの適合者』です。『ルールの適合者』は、そのマネージメントやマーケティングが相対的に優れている時にのみ、一定の規模と利益を享受できます。

優良企業や、特に新規上場を果たすような企業群は、そのほとんどが『ルールメーカー』又は『準ルールメーカー』です。ルールの適応範囲の大小にかかわらず、新しいルールを構築できた企業群に対して、世間は高い評価を与えます。それが高い利益率であり、高額な企業価値(時価総額)です。

※ここで言うルールとは、消費者に提供する新しい価値のことを指します。企業側から考えると、新しい事業立地を創造することです。今まで世の中に存在しなかった製品やサービスのことです。

■『ルールメーカー』とはだれか?

○機械式時計をクオーツに置き換えた日本の時計メーカーは典型的な『ルールメーカー』です。精工で高価な時計を、廉価で大量生産できる時計に置き換えたのです。この変化が起きた1980年頃に、スイスの時計職人六万二千人のうち、五万人が職を失ったと言われています。すさまじいスピードのルール変更(パラダイムシフト)だったようです。

○ネット通販を浸透させたネット通販大手も典型的な『ルールメーカー』です。ネット通販での売上の多くは、間違えなくリアル店舗から奪い取ったそれです。モノは店で買うというルールから、モノはネットで買うというルールに変わったのです。

○数十年前、自動車の動力はガソリンエンジンでした。今後は、電気、ハイブリッド…自動車の動力が変わりました。これもルール変更です。

すべてのルール変更には、勝者と敗者が存在します。変更前の勝者が変更後も勝者になったケースはほとんどありません。勝者は、現存するルールや過去の経験や知識に縛られてしまっているからです。

シュンペーターは、変革(ルール変更)を妨げる三つのハードルとして以下を挙げています。
1.経験よりも洞察を必要とするが、経験に頼りがちであること。
2.実証されていない新しいことを始める難しさ。
3.新しいことを始めることで受ける、社会からの抵抗と批判。
シュンペーターは、新結合(ルール変更)を狙う企業家は、(当初は)潮の流れに逆らって泳ぐようなものだ、とも述べています。

■中小企業も『ルールメーカー』になれます。

○「卵を一切使わないのに、ちぎってそのまま食べられるほど柔らかくて、ほんのり甘い。目指したのはそんな究極の食パンでした。」〔乃が美さんのHPより引用〕、1斤400円(税別)の食パンです。食パンの定義を見直し成功された『ルールメーカー』です。
http://nogaminopan.com/goods_list/

○「金仏壇から現代仏壇へ」、住まいの洋風化、コンパクト化に対応した新しい仏壇を創造した企業様があります。仏壇業界で初めてのGOODデザイン賞を受賞されています。仏壇・仏具に関する『ルールメーカー』として、業界のけん引役を担われるはずです。
https://yagiken.co.jp/movie/

○僭越ですが、当事務所が提唱する『新・税理士』宣言も、皆様に対して新しいルールを提唱しています。税務の専門家である『税理士』業務に付加して、金融機関対応を含む財務業務をプロとして担う『新・税理士』としての役割の提案です。当事務所は『税理士』ではなく、『新・税理士』と宣誓しています。

◎自社が、その力相応に創造できる新しいルールは必ず存在します。容易ではありませんが、この新しいルール、新しい事業立地を求め続けてください。併せて、『ルールメーカー』が創る新しいルールには敏感に対応してください。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 銀行融資プランナー協会代表理事)