vol.163【お役立ち情報】キャリアアップ助成金(人材育成コース)について

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
社会保険労務士 今西章


…有期契約労働者等に職業訓練を実施する場合はご検討ください

この助成金は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者などの、いわゆる非正規雇用労働者のキャリアアップ等を促進するために職業訓練を行った場合に受けられる助成金です。
少し詳しくみておきましょう。

■対象となる訓練
以下のいずれかの訓練が対象となります。

(1)一般職業訓練
Off-JTであって次のすべての要件に該当する職業訓練
(ア)1コースあたり1年以内の実施期間であること
(イ)1コースあたり20時間以上の訓練時間数であること
(ウ)通信制の職業訓練でないこと
(エ)次のいずれかに該当する訓練であること
(a)公共職業能力開発施設等に委託して行う事業外訓練や事業主が企画して外部講師等を活用して行う事業内訓練
(b)都道府県知事から認定を受けた認定職業訓練
(c)専門課程教員等、一定の能力を有する者により実施される職業訓練

(2)有期実習型訓練
「ジョブ・カード」を活用したOff-JTとOJTを組み合わせた3か月以上6か月以下の職業訓練

(3)中長期的キャリア形成訓練
医療・福祉関係等の資格取得を目標とする訓練で、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練

(4)育児休業中訓練
育児休業期間中に上記(1)の一般職業訓練と同じ要件のOff-JTを開始する職業訓練
(通信制の訓練も可能です)

■支給額
中小企業の場合、1訓練コースにつき以下の金額が支給されます。
(1事業所あたりの1年度の上限500万円)

(1)Off-JT分の支給額
(ア)賃金助成:1人1時間あたり800円(上限1,200時間)
(イ)経費助成:訓練時間数に応じて10万円から50万円(事業主が負担した実費を限度)

(2)OJT分の支給額
実施助成:1人1時間あたり800円(上限680時間)

■その他のポイント
(1)キャリアアップ計画の作成・提出
有期契約労働者等のキャリアアップを計画的に進めるために、「対象者」、「目標」、「期間(3年以上5年以内)」、「目標を達成するための取組内容」を記載して作成し、取組を実施する1か月前までに労働局に提出して認定を受ける必要があります。

(2)訓練計画届の作成・提出
キャリアアップ計画にもとづいて訓練計画届を作成し、訓練開始日の1か月前までに労働局に提出します。

有期契約労働者の意欲・能力の向上、優秀な人材の確保のために、まずはキャリアアップ計画の作成をご検討されてはいかがでしょう。

今西章(社労士 銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)