vol.151【経営コラム】ジェネレーションギャップを理解するために!

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


…X世代・Y世代・Z世代の違いについて!

「近頃の若いものは…」と言われながら社会人デビューを果たし、いつの間にか「近頃の若いものは…」と言う側の年齢になったのではないでしょうか?
「近頃の若いものは…」この名言?が不滅なのは、やはり理由がありそうです。
検証してみましょう。

五つの世代に分類されるとの説があります。
○トラディショナル世代(1928年~45年頃の生まれ)
○ベビーブーム世代(1945年~64年頃の生まれ)
○X世代(1965年~79年頃の生まれ)
○Y世代(1980年~95年頃の生まれ)
○Z世代(1995年以降の生まれ)

現時点でトラディショナル世代は70歳を超えています。
一部のトップマネージメント層以外は、現役世代としての影響力は小さくなってきています。

ベビーブーム世代は51歳~70歳ぐらい、トップマネージメント層及び企業の幹部、またはセカンドライフ等、多くの方が活躍されておられます。
人口の層も厚く、政治にも多大な影響力を行使しています。まだまだ現役世代です。

X世代は、36歳~50歳ぐらいの働き盛りです。企業の中核を成す世代です。

Y世代は、20歳~35歳ぐらいの若手、
Z世代は、これから社会人になる子供たちのことです。

リンダ・グラットン氏(ロンドン・ビジネススクール教授、経営組織論の世界的権威)は、その著書『ワーク・シフト』(発行所:株式会社プレジデント社)の中で、第三者の言葉を引用してY世代(20歳~35歳ぐらいの若手)について以下のように解説しています。
『仕事の世界で、Y世代は大きな自由を求めます。(課題をこなしているのに、上司から口を挟まれたくないと、この世代は思っています。)専門分野の技能に磨きをかけ、労働市場での自分の価値を向上させたいと思い、目の前の仕事だけでなく、もっと大きな取組に参加したいと望んでいます。この世代の一番手ごわい点は、自分たちの願望を雇用主たちが満たさない場合に我慢する時間が極めて短いことです。X世代とY世代の大きな違いは、煎じ詰めればこの面での忍耐力の強弱だと思います。…後略』

この様な考え方を持つ背景として、以下のように解説しています。
『Y世代は…ベビーブーム世代の両親から愛情をたっぷりと注がれて育った。
 Y世代は、それ以前のどの世代よりも長い思春期を経験した世代だ。
 …子供のころすでに、世界には自分と「違う」人たちがいること、そして遠い国の出来事が自分の生活に影響を及ぼす場合があることに
気づいていた。
 …Y世代のもう一つの特徴は、以前の世代より経済のグローバル化を明確に理解していることだ。
 …Y世代は、オンライン上のバーチャルなコミュニティーを舞台に活躍する世代でもある。
 …Y世代の多くが大切にするのは、ライフワークバランスだ。           …後略』

Z世代については、以下のように解説しています。
『「リ・ジェネレーション(再生の世代)」「インターネット世代」などと呼ばれるこの世代は、充実したインターネット利用環境で育つことが特徴と言われる場合が多い。
…この世代のものの考え方や振る舞い方は、新たに出現する困難とチャンスの影響を色濃く受けて形成されていくだろ。    …後略』

育った時代の社会環境により、世代ごとの考え方・生き方が変わることは当然でしょう。
故に、いつの時代も「近頃の若いものは…」との言葉を口にしてしまうのでしょう。

一つ下の世代に対する寛容さと、一つ上の世代に対する尊敬の念を持つことで、ジェネレーションギャップを解消できなくても、お互いを理解できるように思います。
これも人類の進化発展の一つと考えるべきなのでしょう。

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 一般社団法人銀行融資プランナー協会代表理事)