vol.723【実践コラム】中東情勢に対応した公的支援策のご案内について

…公庫と保証協会の資金繰り支援が拡充されています。
(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広
7月は借入金との付き合い方をテーマにお伝えしていますが、今回は時事の話題として、中東情勢を踏まえた公的な資金繰り支援策をご案内します。
原油価格やエネルギーコストの上昇、取引や生産への影響を受けている会社に向けて、日本政策金融公庫と信用保証協会の制度が拡充されています。まさに中東情勢の影響を受けているという企業は、選択肢として押さえておきたい内容です。
■ 日本公庫「セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)」外的要因で一時的に業況が悪化しているものの、中長期的には回復が見込まれる中小企業が対象です。
対象資金:設備資金・運転資金
貸付期間:運転資金10年以内、設備資金20年以内(据置3年以内)
金利引下げ:一定要件に該当すると、基準利率から▲0.4%(令和8年4月1日より対象要件を拡充)
引下げの主な要件:原材料・エネルギーコスト増または中東・ウクライナ情勢の影響を受け、かつ売上高・売上総利益率・営業利益率のいずれかが前期比5%以上減少
■ 信用保証協会「セーフティネット保証5号」
業況が悪化している指定業種に該当すると、通常枠とは別枠で保証が受けられ、民間金融機関からの融資を受けやすくなる制度です。
保証内容:別枠80%保証(無担保8,000万円、普通2億円)
指定業種:中東情勢の影響を踏まえ、令和8年7月1日~9月30日は583業種を指定(前回520業種から拡大)
主な要件:指定業種を営み、直近3か月の売上高等が前年同期比5%以上減少
こうした制度で大切なのは、手元資金が薄くなってから動くのではなく、資金使途がはっきりした段階で早めに相談することです。運転資金の必要性が見えているなら、月商一か月分以上のキャッシュを守れるうちに検討しておく。外部環境はコントロールできませんが、使える制度を知り、先に手を打つことはできます。
自社が指定業種に該当するかどうかや、各支援策の詳細は、中小企業庁の特設ページで確認できます。気になる場合は早めにご確認ください。
▼中小企業庁「中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援について」
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/kokusai_josei/
尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)

