▶vol.333【実践コラム】資本性ローンによる経営改善の事例

2019年01月31日

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広


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 …資本性ローン借り入れのポイントを解説します。
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先日、日本政策金融公庫の資本性ローン
2,000万円の調達をお手伝いしました。
資本性ローンとは、日本政策金融公庫が
取り扱う5年から15年の期日一括返済型
の借入ですが、金融機関が融資審査を行う
際には資本と見做してもらえます。財務内容の改善に取り組む企業や、売上がすぐには立たない新規事業に取り組む企業に適した借入です。

S社の事例をご紹介します。

【S社の概要】
直近売上高 約2億5,000万円
直近簡易CF(税引後利益+減価償却費) 約1,500万円
直近純資産 ▲500万円
直近有利子負債 約1億6,500万円

数年前に大口顧客から契約を解除されて売上が半減し、大幅赤字、債務超過に陥ってしまいました。

その後、経費の見直しを中心としたコストカットに取り組み、直近決算では黒字化を果たしたものの、依然として債務超過の状況にあります。

資金繰り面においても、約1,500万円のキャッシュフローがありますが、毎月160万円の返済を継続しているため、決して楽ではありません。これまでも、社長自身で資金調達に動いてきたようですが、やはり債務超過を理由に断られてしまったとのことです。

S社のように、足元の業績が回復しているにも関わらず、債務超過が原因で新規資金調達に苦慮している場合は、再生型資本性ローンの活用がおすすめです。S社は500万円の債務超過に陥っていますが、仮に2,000万円の資本性ローンを借り入れできれば、債務超過は解消し1,500万円の資本正と見做されることになります。

早速、経営改善計画書を作成し、日本政策金融公庫に打診しました。計画の内容を前向きに捉えていただき、「資本性ローンが入れば、積極的に支援してくれる取引金融機関があった方が審査を進めやすい。」とのアドバイスをもらいました。

アドバイスのとおり、メインの金融機関に出向き、資本性ローンを活用した経営改善計画を説明したところ、「確約はできないが、債務超過という障害がなくなれば、新たな融資も検討可能である。」との見解を頂戴し、さらに、公庫の担当者に電話を入れて支援の意思表明をしてくださいました。

結果、2,000万円の資本性ローンを無事に受けることができましたが、公庫の担当者は、「民間金融機関の支援姿勢を確認できたことが大きかった。」とおっしゃっていました。

その後、メインの金融機関からも1,000万円の追加融資を受けることができ、資金繰りは十分に安定しました。

足元の業績は回復しているが、債務超過により資金調達に苦慮している企業様は、資本性ローンの利用を検討してはいかがでしょうか。ご相談ください。

 

尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)


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