▶vol.334【経営コラム】製造業経営の2大悪!分散と安売り!

2018年10月08日

(毎週月曜日配信)経営編
GPC-Tax本部会長・一般社団法人銀行融資プランナー協会
代表理事 田中英司


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 …年商約9億円、営業赤字5千万円まで
  業績が悪化した製造業の再生事例!
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■この会社は(推測含む)1970年ごろ、
売上高は数億円、営業利益も数千万円以上
を安定的に計上できる、小ぶりながら優良
企業でした。最新の成型機やオーブンを
使って生産される主力単品の名物商品は、
相応のブランド力を有しており、優良な卸業者や優良小売店に限定して販売されていました。原材料は厳選された高級材料に限定していました。従業員の処遇も相応で、熱心に業務に励んでいた事でしょう。

◆二代目社長は、大衆化による拡大路線を選択しました。
1.生産するアイテム数をどんどん増やしました。
2.販路拡大を行いました。
3.廉価な商品を開発しました。

◆分散と安売り路線を突き進みました。
大衆化された新しい商品と販路の拡大により、売上高は膨らんでいきました。右肩上がりの売上増を経験した二代目社長は、さらなる大衆化と拡大路線にアクセルを踏み込みました。
ある時を境に売上の伸びは止まり、時を同じくして営業利益も目減りする趨勢に転落しました。それでも、売上を伸ばそうと、営業利益を捻出しようと、さらなる大衆化による拡大路線を貫きました。

◆2005年ごろ、売上高は約9億円、営業赤字5千万円(過去3期連続赤字)、債務超過5千万円、破たんの危機に見舞われました。

○工場の躯体も内装も、肝心の生産設備まですべてがポンコツ、長期間投資する余力が無かったのでしょう。
○販売先は安物を扱う卸と小売店、廉価品中心の品ぞろえが招く当然の結果です。
○商品はその多くが陳腐化していました。新商品を開発する力は残っていません。
○創業時の主力商品のみが、何とか原型をとどめている状況です。

◆2005年時点でのこの会社の企業価値は明らかにマイナスです。
◎企業価値試算=純資産(▲5千万円)+将来利益(▲5千万円×3年=▲1億5千万円)=▲2億円です。

ある金融機関の仲介でベンチャー企業が買収しました。オーナーの個人資産の充当と、会社が有していた特殊な権利(※この会社が持ち合わせた最後の幸運です。)で、▲2億円を充当して、企業価値0円と試算できたからです。

■新しい経営者は、絞り込み(Simple)と高付加価値(Profitable)な経営〔SP経営〕に舵を切りました。

1.徹底的な絞り込みを行いました。
生産アイテムの半減、販売先チャネルの半減、低生産性商品と採算割れ販売先との決別を徹底して行いました。
・売上高比率15%超のある商品群を全廃しました。
・全国に広く薄く散らばって販売していた商品群を全廃しました。
等々

2.高付加価値商品の開発と高付加価値販売チャネルの開発に力点を置きました。
・高品質な原材料の仕入れルートを開発しました。
・優良商品を生産できる設備を投入しました。
・方針の合わない工場長と決別して、やる気のある若手を抜擢しました。
・開発費への投資を惜しみませんでした。
・業績の改善を待たず、処遇の改善を可能な限り行いました。
等々

※これらの先行投資を行う財力と与信力を有していたことが背景にあります。

◆業績の回復…
経営が変わって丸3年、業績は見違えるように好転しました。
売上高約8億円、営業利益5千万円、一過性ではなく安定的な利益を捻出できる会社に変貌しました。
商品の過半は刷新され、アイテム数は▲30%、販売先数もその数十%は新しい先になりました。原材料も仕入れ先の変更により高級品を入手できるようになっていました。

■絞り込み(Simple)と高付加価値(Profitable)な経営〔SP経営〕の成果は…

絞り込みから余力が生まれます。高付加価値化は生きる世界(仕入れ先・売り先等すべて)をより上の世界に転換してくれます。歴史を振り返る…この会社の古に戻しただけです。
分散と安売りは、企業経営の2大悪です。(一部推測も入りますが、概ね実例です。)

※銀行融資プランナー協会の正会員である当事務所は、クライアントに『お金の心配をできるだけしない経営を行ってもらう』ための新しい機能(=金融機関対応を含む財務の機能)を持つことを宣言いたします。我々は、『税理士』ではなく、『新・税理士』です。遠慮なくご相談ください。

 

田中英司 (GPC-Tax本部会長・ 一般社団法人銀行融資プランナー協会代表理事)


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