▶vol.292【実践コラム】債務超過の企業が資本性ローンを調達した事例

2018年04月19日

(毎週木曜日配信)財務編
銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー
尾川充広


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 …足元の業績が回復していれば
  資本性ローンを活用できます。
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先日、日本政策金融公庫の再生型資本性
ローンの調達をお手伝いしました。
S社の事例をご紹介します。

◆S社の概要
直近売上高:約2億5,000万円
直近簡易CF(税引後利益+減価償却費):約1,500万円
直近純資産:▲500万円
直近有利子負債:約1億6,500万円

数年前、大口顧客から契約を解除されたことが原因で売上が半減し、大幅赤字、債務超過に陥ってしまいました。

取引金融機関から新規融資を受けられない状況下、積極的な営業活動もできなかったため、経費の見直しを中心としたコストカットに取り組み、直近決算では約1,500万円のキャッシュフローを確保できるまでになりました。しかし、毎月160万円の返済を継続しているため、資金繰りは依然として厳しい状況です。

よって、弊所にご相談に来られる前に、社長自身で資金調達に動かれたようですが、やはり債務超過を理由に、新規融資は全て断られたとのことでした。

S社のように、足元の業績が回復しているにもかかわらず、債務超過が原因で金融機関から新規融資を受けられない場合は、日本政策金融公庫等が取り扱う再生型資本性ローンが有効です。

資本性ローンとは、期日一括返済型の借入ですが、金融機関が審査を行う際には資本とみなせる借入です。S社は500万円の債務超過に陥っていますが、仮に2,000万円の資本性ローンを借り入れることができた場合、1,500万円の資本正とみなされます。

早速、経営改善計画書を作成し、日本政策金融公庫に打診をしました。概ね前向きにとらえていただきましたが、「資本性ローンが入ることで、積極的に支援してくれる具体的な金融機関はあるのか?」との質問がありました。

すぐに既存の取引金融機関に出向き、資本性ローンを活用した経営改善計画を説明したところ、「債務超過という障害がなくなれば、もちろん新たな融資も検討可能である。」との見解を頂戴し、さらに、公庫の担当者に直接電話を入れ、支援の意思表明をしてくださいました。

結果、2,000万円の資本性ローンを無事に受けることができ、公庫の担当者は、「やはり民間金融機関の支援姿勢を確認できたことが良かった。」とおっしゃっていました。

足元の業績は回復しているが、債務超過により資金調達に苦慮している企業様は、資本性ローンの利用をおすすめします。
是非、ご相談ください。

 

尾川充広(銀行融資プランナー協会 財務アドバイザー)


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